第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展・日本館「毛利悠子:Compose」展示風景よりPhoto by Matteo de Mayda Courtesy La Biennale di Venezia グローバル・サウスからの問題提起 前回のヴェネチア・ビエンナーレ(第59回国際美術展、2022年4月23日〜11月27日)が開幕したとき、「Contemporary And (C&)」というオンラインメディアに、社会理論家で作家のエリック・オティエノ・スンバ(*1)が、「なぜヴェネチア・ビエンナーレ・モデルは時代遅れなのか?」という記事を寄せていた(*2)。「ナショナル・パビリオン・モデルを採用することで、ヴェネチア・ビエンナーレは地方主義(provincialism)を世界性(worldliness)と偽っている。そして、そのツケを払うのはグローバル・サウスのアーティストたちだ」というリ