コロナ禍によるテレワーク拡大などを背景に、日本ならではの雇用システムを欧米型の「ジョブ型」に切り替えるべきだという議論が各所で起こっています。ただ、よく耳にはするけれど、そもそも「ジョブ型」の意味を誤解している人や、成果主義と混同してしまっている人も多いようです。 そこで、「ジョブ型」の名付け親であり、労働問題の第一人者として知られる濱口桂一郎さんに、ジョブ型雇用について、そしてジョブ型にまつわる議論や今後の方向性について解説いただきました。 独立行政法人 労働政策研究・研修機構 労働政策研究所長 濱口桂一郎さん 1983年労働省入省。労政行政、労働基準行政、職業安定行政等に携わる。欧州連合日本政府代表部一等書記官、衆議院次席調査員、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授等を経て、2008年8月から現職。主著に『日本の雇用と労働法』(日経文庫)、『新しい労働社会』(岩波新書)、『労働法政