爆弾が降りしきる中、私と同じように生活を営む人がいる。そんな当たり前のことを、本書を読むまで忘れかけていた。銃撃戦がひどい地域の住民は全員避難して、住居のなかは空っぽになっているというのは自分勝手な思い込み。バナは爆撃と銃撃戦が日々繰り返される街で生活していた。 バナの家族は、お父さん、お母さん、弟のモハメッド、戦争の最中に生まれた弟のヌール(光という意味)、マレクおじいちゃん、サマルおばあちゃん、マーゼンおじさんとヤーマンおじさんなど、総勢20人ほどの大家族だ。住み慣れた街は、シリアのアレッポ。バナのツイッターに反応してバナと家族を救い出した国、そして今住んでいる国はトルコ。 バナは8歳の女の子だ。3歳までは戦争のないごく普通の日常を暮らしていた。お父さんとプールに行ったり、公園で遊んだり、友達とお人形さんごっこしたり。4歳の誕生日を迎える前に空襲が始まった。家が、学校が、病院が破壊され
![『バナの戦争 ツイートで世界を変えた7歳少女の物語』シリア情勢を知る最適な一冊 - HONZ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ef66f87f6f1675ae60a72acb87d40a5305669999/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51dI93CCoHL.jpg)