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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (14)

  • 無解答率

    毎年,文科省の『全国学力・学習状況調査』が実施されていますが,子どもの学力を測る指標として最もよく使われるのは,各科目の平均正答率です。 しかし,もう一つ面白いメジャーがあります。それは,無解答率です。思考を放棄して,解答欄を空白で出す者の割合ですが,知識を問うA科目よりも,知識を活用させるB科目で,この比率は高くなっています。 考えるのが面倒くさい,ということでしょうね。B科目の問題は結構ひねられており,対象の児童・生徒に考えさせる問題となっています。2014年度の小学校6年生の国語Bでは,以下のような設問が盛られています。詳細は,下記サイトでご覧ください。

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    langu 2016/12/28
  • 大学受験の50年史

    18歳人口の減少により,受験競争は緩和しているといわれますが,それをデータで可視化してみましょう。 文科省の『学校基調査』には,その年の大学入学者数と大学入学志願者数が掲載されています。浪人混みの数値です。ここでいう大学とは,4年制大学であり,短大は含みません。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 私は1995年春の受験生ですが,この年の大学入学者は56万8576人,大学入学志願者は87万7313人です。前者は,競争を勝ち抜いて大学に入れた合格者です。残念ながら不合格になった人は,後者から前者を引いて30万8737人と見積もられます。入学志願者に占める比率は35.2%です。これは不合格率に相当します。 へえ,志願者の3人に1人が辛苦を舐めていたのだなあ。私の世代(76年生まれ)はポスト団塊ジュニア世

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    langu 2016/09/21
  • 生まれが「モノ」をいう社会

    大それたタイトルを掲げました。緻密な統計解析を元にするならば一冊のができるテーマですが,各国の国民の意識という点から,国際的な布置構造図を描いてみましょう。 資料は,ISSPが2009年に実施した「社会的不平等に関する国際意識調査」です。この調査では,対象国の国民に対し,出生に際して重要と思う条件を答えてもらっています。 http://www.issp.org/page.php?pageId=4 私は,「裕福な家庭に生まれること」と「高学歴の親を持つこと」を重要と考える国民が,全体の何%いるかに注目してみました。横軸に前者,縦軸に後者の比率をとった座標上に,調査対象の41か国を配置すると,下図のようになります。「Essential(不可欠)」ないしは「Very important(とても重要)」と答えた者の比率です。*ドイツは,東西に分けて回答が集計されています。 右上には,中国が位置し

    生まれが「モノ」をいう社会
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    langu 2016/04/04
  • オトコが結婚するのに「収入」がモノをいう社会

    長ったらしいタイトルになりましたが,今回の記事で明らかにしたいことです。女性が結婚相手の男性に求める一番の条件は,ズバリ「収入」でしょう。 これは,女性たちの依存気質への批判につなげるべきではなく,男女の給与格差が大きいこと,女性にすれば結婚・出産が,バリバリ働くことを妨げる足かせになること,という現実と関連して考えるべきです。 こういうわけから,男性にあっては,収入と未婚率(既婚率)は強く相関しています。それはブログでも繰り返し明らかにしました。最近のものでは,ニューズウィークに寄稿した記事のグラフがありますので,興味ある方はご覧ください。下記記事の2つ目のグラフです。 http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/09/post-3882.php しかるに,これは日の現実です。どの国でも,男性の収入と結婚チャンスは関連しているで

    オトコが結婚するのに「収入」がモノをいう社会
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    langu 2016/03/04
  • 勉強時間格差

    近年,あらゆる面での格差が開いているといいますが,子どもの勉強という点ではどうでしょう。子どもの分は勉強ですが,する子としない子の分化(segragation)が大きくなってきている。こういう声をよく聞きます。 苅谷剛彦教授が『階層化日教育危機』(有信堂)という著作において,意欲格差(インセンティブ・ディバイド)という現象を指摘したのは,2001年,今世紀の初頭です。それから15年経過しましたが,この現象はどうなっているのか。 私は,子どもの勉強時間の分布に注目することとしました。これは,文科省の『全国学力・学習状況調査』に載っています。このデータから,勉強をする子としない子の分化,勉学時間格差の様相を数値で可視化してみようと思います。

    勉強時間格差
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    langu 2016/02/22
  • キレる高齢者

    前世紀の末に,栃木県で中1生徒が女性教師をナイフで刺殺す事件が発生し,「キレる子ども」の存在が話題になりました。学校にナイフを持ってくる生徒もいるとのことで,当時の文部大臣が「ナイフを持つのは止めよう」と呼びかけていたのを覚えています。 しかし最近キレるのは大人,それも高齢者であるようです。一昨日のJ-castニュースにズバリ「キレる高齢者・各地で大暴れ」と題する記事が公開されています。 http://www.j-cast.com/tv/2015/11/13250510.html まあ私の経験でも,電車やバス車内でケータイで通話し,注意されて逆ギレする高齢者をよく見かけます。 統計でも,キレる統計者の増殖が観察されます。私は警察庁の犯罪統計に当たって,1995年から2012年までの高齢者の暴行検挙人員数を調べました。ついでに,犯罪の代表格である窃盗(≒万引)の数も拾ってみました。 下の表は

    キレる高齢者
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    langu 2015/11/16
  • 父親を超えられない社会

    「国勢社会調査プログラム」(ISSP)という組織が毎年,特定の主題を据えて国際意識調査をしているのですが,2009年の「社会的不平等」第4回調査と2012年の「家族とジェンダー」第4回調査のローデータを入手しました。 http://www.issp.org/index.php 上記のISSPサイトにて,ローデータが公開されています。氏名,メアド,使用目的を入力するだけで,誰でもダウンロードできます。SASとSPSSのファイルでアップされています。私はSPSSを持ちませんで,昨日大学でDLし,エクセルに変換しました。 私の場合,SPSSよりエクセルのほうが使い勝手がいいのですよね。いろいろ小回りも利くし・・・。このとおり完全に自己流ですので,どっかの研究所の調査員に雇われても,お役に立てそうにありません。 ともあれ自分のパソコンに移しましたので,自由自在にデータを分析できます。2009年の「

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    langu 2015/10/08
  • 中高年未婚者の不幸感

    既婚者と未婚者に,「あなたはどれくらい幸福ですか」と尋ねたら,否定の回答はおそらく後者のほうが多いでしょう。 毎度使っている「世界価値観調査」(2010~14年)では,各国の対象者に上記の事項を尋ねています。日の30~50代男性のサンプルを既婚者と未婚者に分け,この設問に「あまり幸福でない」ないしは「全く幸福でない」と答えた者の比率を出すと,前者が6.5%,後者が43.5%と大きな差があります。

    中高年未婚者の不幸感
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    langu 2015/06/08
  • 2015年の人口構成の国際比較

    昨日(5/5)は子どもの日でしたが,この日は毎年,子ども人口の統計について報じられます。昨日の新聞をみると,子ども数は過去最少で,東京都を除くすべての県で減少しているそうです。 国連の人口推計統計にて,今年(2015年)の日の年齢構成を出すと,15歳未満の年少人口は12.9%,65歳以上の高齢人口は26.4%となります。子どもよりも老人が多い社会です。この値を,国際的な布置図の中に位置づけるとどうなるか。主要国だけでなく,発展途上国を含めた200の社会の比較図をつくってみました。 http://esa.un.org/unpd/wpp/unpp/panel_indicators.htm 左上にあるのは,子どもが少なく老人が多い,つまり少子高齢化が進んだ社会ですが,日はその極地に位置しています。双六の比喩でいうと,もう「アガリ」の社会って感じです。対極の右下には,アフリカ諸国などの発展途上

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    langu 2015/05/06
  • パソコンを持たない若者

    私は大学で調査統計の授業(3年生対象)を持っていますが,エクセルで簡単な棒グラフを作れない学生さんが結構いることに驚いています。 話を聞くと,「エクセルなんて,1年時のコンピュータ活用の授業以来,全然開いていない。きれいさっぱり忘れた」とのこと。それどころか,パソコンに触れることもあまりないのだそうです。じゃあ,彼らの生命線ともいえるネットはどうしているのかというと,言わずもがなスマホなどの小型機器です。仲間との通信,買い物,情報収集などはこれで十分。 私などはその逆で,ケータイもスマホも持ちませんが,卓上のパソコンは必需品です。ネットはスマホでもできますが,私は目が悪いので,小さい画面はきつい。それに生業であるデータ分析や原稿執筆は,パソコンでないとどうにもなりません。 私は,若者のデジタル事情について興味を持ち,データで実態を明らかにしてみました。国際比較によって,わが国の状況を相対化

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    langu 2015/02/25
  • 都道府県別の大学進学率のジェンダー差

    今日の朝日新聞に「生まれながらの境遇,乗り越えろ,性別で地域で学びに差」と題する記事が出ています。生まれながらの境遇で教育機会に格差が出ているという趣旨ですが,私が計算した,性別・都道府県別の大学進学率のデータが掲載されています。 http://www.asahi.com/articles/ASGCT55SJGCTUTIL02L.html 記事には,大学進学率のジェンダー差が大きい5県と小さい5県の表が掲げられています。前者は,北海道,山梨,和歌山,埼玉,鹿児島です。後者は,熊,岡山,東京,高知,徳島です。しかるに,他の県はどうかという関心もあるでしょう。記事には,全県の分を載せるスペースがなかったようですので,ここにてそれをご覧に入れようと思います。上記の記事の補足です。 まず大学進学率の概念ですが,私が計算したのは,18歳人口ベースの4年制大学進学率です。2014年春の大学入学者数を

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    langu 2014/11/27
  • 青年期の希望剥奪現象

    内閣府の『我が国と諸外国の青年の意識に関する調査』(2013年度)のローデータが,昨日メールで送られてきました。7か国,7431人分のデータセットです。 http://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/thinking/h25/pdf_index.html 昨日からこのデータの分析を楽しんでいます。分析結果の図は,随時ツイッターにて発信しておりますが,単発のグラフを取りとめもなく発信するだけというのはいただけません。脈絡のある話(story)をつくることも必要。ブログは,こういう用途に使おうと考えています。 前々回は,わが国の青年層が抱いている主観的な将来展望が,他国に比して思わしくないことをみました。新聞等では,現時点での満足度云々がいわれますが,私としては,こちらのほうが問題なのではと思っております。人間にとって希望は重要。前途ある青年にとっては,なおさらです。

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    langu 2014/06/09
  • 職業別の生涯未婚率

    生涯未婚率という指標をご存知でしょうか。読んで字のごとく,生涯,未婚の状態にとどまる者がどれほどいるかです。 これは,全人口の人生を死ぬまで追跡して出すような,込みいったものではありません。生涯未婚率としては,50歳時点の未婚率が用いられます。この年齢以降は,結婚する者はほとんどいないであろう,という仮定に立つわけです。 なお,多くの官庁資料の年齢統計は5歳刻みのものですが,5歳刻みの統計から生涯未婚率を出す場合,40代後半と50代前半の未婚率を平均するという便法がとられます。 私は,この方式に依拠して,男女の生涯未婚率を職業別に計算してみました。こういうデータは見かけないので,興味を持った次第です。正規・非正規の影響を除くため,正規職員男女の率を出すこととします。資料は,2012年の総務省『就業構造基調査』です。 http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2

    職業別の生涯未婚率
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    langu 2014/02/09
  • 都道府県別の大学進学率

    現在では同世代の2人に1人が大学に進学しますが,大学進学率は,この2年間続けて下がっている模様です。2011年春が51.0%,2012年が50.8%,そして2013年が49.9%なり。 これは浪人込みの進学率ですが,浪人込みの率なんて出せるのか,という疑問もあるかと思いますので,当局の計算方法を説明いたしましょう。 大学進学率とは,同世代のうちどれほどが大学に進学したかという指標です。ベースは高卒者ではありません。文科省の『学校基調査』からこの値を計算する場合,当該年に大学に入った者の数を,推定18歳人口(3年前の中学校・中等教育学校前期課程卒業者)で除すことになります。 http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm 分子の大学入学者数には,より上の世代(いわゆる浪人生)も含まれますが,当該年の18歳人口から

    都道府県別の大学進学率
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    langu 2013/09/12
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