ロシアによるウクライナ侵略は国連憲章に反する戦後国際社会の平和秩序を破壊する行為です。ロシアを含め世界中から糾弾する声が上がっています。世界の世論の広がりが決定的に重要です。一方で、自民党や日本維新の会の政治家は、ウクライナ侵略を利用して、日本国憲法9条を攻撃し、「核軍拡」論を主張しています。ウクライナ侵略をめぐる論点について考えます。 「核」による脅迫 「核兵器のない世界」が急務に プーチン大統領はウクライナ侵略で他国に手出しをさせないために、核兵器部隊に「特別警戒」命令を出し、全世界を核で脅しています。ロシアは米国と並ぶ世界最大の核保有国です。全米科学者連盟の核専門家であるハンス・クリステンセン氏によれば、ロシアは現時点で4477発の核弾頭を保有。うち1588発が実戦配備されており、最新鋭化も進んでいます。ロシアは、ウクライナ攻撃でも露呈した通常戦力の劣勢を補うために核・ミサイル増強に