週刊エコノミストでの板谷敏彦さんの連載がまとまって単行本になっておったわけですが、これがまたまとめて読むと面白いわけです。 なんというか「世界史好きなんだろ? 黙って買って読めよ。楽しいぞ」って内容でありまして、いわゆる通史としての第一次世界大戦前夜の欧州とアメリカ、日本、中国の状況が一望できる、真の意味で歴史の面白さが体現される本なのです。 難点をひとつ挙げるとすると、世界史を知っていたほうが、この本に関しては絶対に楽しく読めます。おさらいとしてWikipediaでも目を通しておけ、捗るぞってノリはありますし、また、世界史における第一次世界大戦の意義なんてのをぼんやり把握してから読み進めることはこの本を二度読み三度読みするよりも楽に全体像が入ってくるという側面はあります。 それだけこの著者の板谷敏彦という人物の知識の奥行きの深さ、のめり込み度合いの強さというものを感じるのですが、この本の