昨年亡くなった親類のマンションの部屋をわたしの父が受け継ぎ維持している 親類の部屋は8階にある ときおり管理のためにわたしや父が交代で出かけて掃除や整理などする 昨日はわたしが赴いたが、体調が悪くなりそのままひとりで泊まることにした 突然のことで歯磨きをするすべがなかったので仕方なくそこに残してあった介護用の使い捨て口腔用スポンジで代用する ふにゃふにゃと柔らかく隙間が磨けない 歯磨き粉の味は1年ちかく経っても変質しないようだ 夜中悪夢を見て目が覚める その部屋で亡くなった親類の太い両腕がわたしの肩を枕の真上から押さえている 夢の中でこれは夢であると気づきそれで安堵する 自分のこれまでの身の上のふがいないことを親しかったその親類に叱咤されているような情けない気持ちでそのままうとうとと起きていた 朝になって鳥の声がよくきこえ、快晴、そのまま穏やかな午後になり、サンダルを玄関から持ち出して居間
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