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増田文学に関するlatteruのブックマーク (221)

  • 彼女にサボテンをプレゼントした

    下北沢の雑貨屋の軒下にサボテンが売られていた。 親指くらいのサイズ、100円。 同棲している彼女が好きそうだなと思った。 その日は給料日で余裕があった。 店の中で椅子に腰掛け気だるそうに雑誌を読んでいる店主に声をかけて、サボテンを買った。 レジでサボテンを袋に入れてもらっている間、なんとなしに気恥ずかしさが湧いた。照れ隠しに「プレゼントなんすよ」と言ってみた。 「へえ、誰に?」と店主。 「同棲している彼女に」 「サボテンはね、人を選ぶよ」。目を合わせず店主がつぶやいた。 きっと喜ぶよ、とか、センスいいね、とか、客商売ならもっと気の利いた一言もあるだろうに、と思ったが、妙に納得した。 サボテンを持ってる自分がおかしくて、足早に家に向かった。 家の間取りは玄関扉を開けるとすぐに廊下兼台所がある。 扉を開けると煮込み料理を作っている彼女と目があった。 彼女の視線が俺の顔から右手に移る。 「…サボ

    彼女にサボテンをプレゼントした
  • 今月、結婚する。

    先月から書いて準備してある婚姻届は、実は3回も書き損じてしまった。 なんだあの普段の生活で見慣れない言葉の数々は。世の既婚者さん、よくストレートに書けましたねという気持ちだ。 「結婚はしてもしなくてもいい」わりとそんなスタンスで生きてきた。結婚は相手の気持ちがあることだし、今の時代は必ずしなければいけないものでもないと。でも、提出予定日を間近に控えた今、とてもワクワクしている。 結婚をより楽しみで素敵なものに変えてくれたのは、彼はもちろんだけど周囲の人たちの反応もとても大きい。 「顔合わせも結婚式もいらんでしょ。なんなら結婚指輪も婚約指輪もなくてもいいよ」 基的にはそんなスタンスだった私だけど、「いや、結婚指輪はつけるでしょ」という彼の言葉に「そうなんだ!」となり、一緒にいくつかのお店を見て回った。なんだかんだ、ふたりとも同じ温度感で気に入ったお店が見つかり、近々また訪問する予定だ。刻印

    今月、結婚する。
  • 同人女に夢破れて

    追記 めちゃくちゃ叩かれてて笑える。 でも文章下手とか性格悪いとかボロクソ言う割に服のダサさには反論できてなくて草。 うんうん、文章下手なのも性格悪いのも事実だね。ダサい人多いのも事実だけど。 てかルッキズムって言われてるけど顔の造形に関しては一切触れてないからね。 ただその化粧してないのに服だけ凝って浮いてたりとか服も何もかも独特すぎたりとか、そういうチグハグな格好を整えて最低限身だしなみしたら?って話をしてる。 あと眼鏡ちゃんを見下したつもりはなかった。ごめんなさい。文章下手で性格悪いせいでそういう風に捉えられてしまったみたいで。 あと送り返した感想が短い点に関しては当に反省したので追加して送った。 指摘してくれてありがとう。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 私は25歳になる同人女。 約9年二次創作活動を続けてた。 Twitterやピクシブでは細々活動していたんだけど、イベ

    同人女に夢破れて
  • 生活を、している

    4/8 追記 思った以上にたくさんの方に読まれて驚いています。 ブラジャー外干はありえんって意見が多かったのでググったら確かに危なそうだったんで室内に干したいんですけど、ワコールの店員さんに洗濯機の脱水は使うなって言われてるんですよ。だから自力で絞るしかないんですけど、それじゃヒモとかから水がぼたぼた垂れません?みなさんどうされてるんだろう。 ↑コメ欄の方ありがとうございます!バスタオルで挟むのやってみます! 後母親と一緒に買うものだと思ってたってコメント見たけど、「アンタ胸ないのにブラなんていらんでしょ」で終わらす母だったのでそれは仕方ないです。 追記終わり ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 産まれてこの方カップ付きキャミソールしか着てこず、ブラジャーを買ったことすらなかった。 ブラをする必要もないぐらいの胸の大きさだし、彼氏も居たことないので買うことすら思いつかなかったけど

    生活を、している
  • 腫瘍を取ったら姉だった話

    過去にね お腹がすごく痛くなったことがあるんです なんていうか圧迫感っていうか 体を折り曲げるとテニスボールを挟んでいるような違和感があって それでまぁ我慢できなくてかかりつけ医のところに行ったんです そうしたら難しい顔されて あれよあれよという間に大学病院に連れて行かれて腫瘍ができてるから手術するよって それで取ったんです 腫瘍 わたしどうしても腫瘍っていうのが見てみたくて 必死にしつこくお願いして見せてもらったんです 腫瘍はなんというか モッツラレラチーズをカマンベールチーズ色にして赤い血を浴びせたようなそういう見た目でした そんで 中に何が入ってるか調べるっていうんで それも見せて欲しいって言ったんです そうしたらね まあ面倒そうに口元ひん曲げながら銀色のトレーに中身を入れてずいっと差し出してくれてね 中には髪の毛の束と小さな歯か骨のカケラが入っていました わたしが元母親(縁切りして

    腫瘍を取ったら姉だった話
  • タイミー疲れたよ日記

    こんど転職するのだが、見切り発車で仕事をやめた結果、次の仕事が始まるまで1か月ほど暇な時間ができてしまった。 2週間ほど休んだらもう休むのが嫌になってしまったので、せっかくなのでタイミーとやらを試してみようと思いついたときの話。 意外にも未経験だとできる仕事は少なく、やっと見つけたのは某化粧品とか日用品、掃除用品を作っている会社の流通倉庫でのピッキング作業。 朝から夕方までガッツリ働いても9000円いかないのには驚いたが、バイトなんて学生の頃以来なのでちょっと楽しみだ。 働いてみると、想像していたよりもずっとホワイト、というか巨大なシステムの一部として期待されていること以上のことは一切期待されていない、という労働環境なのでなかなか気楽で楽しかった。 休憩を抜くと7時間ほどハンドフォークを引っ張りながら歩きっぱなしだったが、毎日リングフィットをしているおかげかさほどダメージはなかった。 その

    タイミー疲れたよ日記
  • 関東地方で桜餅を騙っている簀巻き野郎について

    といえば、粒感のあるピンク色ので餡を丸く包んで桜の葉を巻いた和菓子だ。関西で生まれてこのかた、「桜」と言われればまずこれだった。それ以外の「桜」の存在なんて想像すらしていなかった。 ところがどうだ、東京に来てみれば見慣れないやつが桜を名乗っていた。平べったい生地で餡をロールケーキのように巻いてその上からさらに桜の葉を巻いた和菓子。関東ではこれを「桜」と呼ぶらしい。 アホか。どこがだ。今日からきみは桜クレープと名乗りなさい。おしゃれぶりやがって。なんだその軽やかなフォルムは。ヨックモック気取りか。洋菓子のパーティにでもお呼ばれしているのか?大体その葉っぱはなんだ。意味があるのか?その桜の葉っぱはな、物の桜をそのまま触ると手がべたついてしまうから巻かれているんだよ。きみは見たところ結構さらさらしているようだが当に桜の葉っぱが必要だったか?そのまま手でつまんでべられそうな

    関東地方で桜餅を騙っている簀巻き野郎について
  • 祖父のような人が、昨日死んだ。

    祖父のような人が、昨日死んだ。 血の繋がった祖父は、自分の生まれる前に亡くなっていた、少なくとも父方の祖父は、割と早くに亡くなったらしかった。 母方の祖父は、母親が子供の頃に祖母と離婚しており、多分早くに亡くなったのだと思うが、仮に生きていても会うことはなかった。自分がいつそんなことを聞いたのかは確かではないが、物心ついた自分が、血の繋がった祖父、というものを意識した時にはどうやら亡くなっていたらしいのは確かだ。 「祖父のような人」は、僕が生まれるずっと前から、祖母と一緒に暮らしていた。多くの人が誰しも持つ思い出のように、自分も子どもの頃、祖母と彼の住む家に遊びに行き、甘やかされ、小遣いをもらい、トランプやら野球やら将棋やらをして、思う存分に遊んだ。 将棋のルール、司馬遼太郎、池波正太郎、他にもいろいろと、今ではどれが彼に教わったものか一々思い出せない程、いろいろなことを彼は教えてくれた。

    祖父のような人が、昨日死んだ。
  • 最後の投稿です

    16年と半年前、57歳になったばかりの2007年の9月に初めての投稿をしました。その2ヶ月くらい前から閲覧はしていた気がしますが閲覧履歴のようなものはないためわかりません。 ちょうどその頃、勤務していた会社で役員に昇格したばかりでした。法学部を卒業し新卒で入社して以来、ひたすら営業畑にいた私が役員になってから与えられたのは情報システム部を含むIT分野でした。 その10年前ごろから会社にパソコンが導入され始め、総務部門にいた同期が悪戦苦闘しており「大変そうだな〜」なんて気楽に思っておりましたが、まさか自分がそれらを統括する立場に置かれるとは思いませんでした。 IBMが主催する勉強会に参加したり、書籍を購入したり、パソコン教室にも通い、DELLデスクトップPCを購入して大学生だった息子に助けられながら設定をしていました。 インターネットを徘徊する中で見つけたのがはてな匿名ダイアリーです。 結

    最後の投稿です
  • 陰キャおじさんとばかり付き合って

    若い頃、陰キャおじさん(30~40代)とばかり付き合ってきた。※30~40代は当時の私にはおじさんだった。 なぜなら同年代の男の子と付き合うと別れた時にダメージらうから。おじさんとゲーム感覚で恋愛したほうが楽しくない?と当時思ってた。 私の元カレに限った話なので、これを読んでいる方は自分に重ねる必要はないよ! エセ関西弁おじ私と付き合ってすぐに オンラインの友達に「俺、19才の彼女ができたんやでぇ、27才なのに19歳の彼女かわいいでぇ」と自慢していた。 オンラインで10代20代とつるんでいるようだった。 ニコニコ動画の生配信を見るのが好き。「エロい目で見てるわけじゃないんや、この子とかめっちゃ面白いんやで」と言っていたが、15~19才の配信しか見てなかった。 このおじは、パソコンを買い替える時に私にお古のパソコンをくれたんだけど 「俺のPCの中身気になるでしょ?特にやましいものはないから

    陰キャおじさんとばかり付き合って
  • 訳あって廃ビルの地下に一ヶ月住んでたことがある

    2階や3階は別の人が住んでた ダンボールかき集めて半額の弁当で飢えをしのいでいた 先住の人にいろんな話を聞いたり、焚き火を囲んでワンカップを飲みながら昔話をしたり 「お前はまだ20代なんだからこんな生活に慣れちゃあかん。早めに出て行けよな。」と事あるごとに言われてた。 決心がついて出ていくとき、仲の良かったじいさんが腕時計をくれた 親父の形見で、最後の最後までこれだけは質入れもできんかった (大したカネにもならんしな、と笑いながら) 当は子供に託したかったが、嫁も子供もどこにいるかもわからん だから預かってくれと。 何のことはない、シチズンの普通の腕時計だった あれからもう20年以上経つ とっくにビルは無くなっているし、自分は家庭は持っていない弱者男性に変わりはないが それでも毎日それなりの人生を歩んでいる 玄関にじいさんのシチズンを飾っている 電池切れか故障かわからないが、もう止まって

    訳あって廃ビルの地下に一ヶ月住んでたことがある
  • 最近人の親になったけどあの時の親の気持ちがやっぱり全くわからない

    中学3年のときの話。 学園祭が終わった夜、部活の同級生4人でオールをしようということになりカラオケか雀荘か漫喫に行く流れでまとまったのだが(今は知らないが、当時は詰襟のままでも平気で入れてくれる所は新宿渋谷池袋あたりの繁華街まで足を運べば必ずあった)、1年生の後輩が自分も付いて行きたいと言い出した。 「お前は家に帰れ」と皆で説得したけれど、どうしても一緒に行きたいとテコでも動かなかった。結局、「学園祭の日だから特別に親の許可が出てるんです」の一言で仕方なく後輩も仲間に入れることにした。 翌朝、俺は母親に叩き起され、顔を真っ赤にした父親から今までの人生で一番迫力のある説教を喰らい、挙句ビンタまで御見舞された。 後輩の母親が俺の家へ「嫌がってるうちの子を無理矢理朝まで連れ回すとは何事か」と猛抗議の電話を寄越したのだ。 週明け、早速俺は昼休みに後輩のところへ行き 「お前とはもう絶対に遊ばないけど

    最近人の親になったけどあの時の親の気持ちがやっぱり全くわからない
  • 子供が出来たので過去の恋愛の話をして終わらせることにする

    結婚する前、五年付き合った女がいた。 当然結婚するものだと考えていたが振られた。理由は俺の金遣いと酒癖の荒さだ。酔って彼女を殴ったらしい。 にはそんなことをしていないとは思う。尤もは気が強くそんなことをしたら即座に慰謝料をむしり取られて捨てられるだろう。は商社の総合職で収入もそう俺とは変わらない。実家の経済状況はお互い普通で、成り上がり組だ。 いわゆる俺たち夫婦はいわゆるパワーカップルだ。は先述したように商社の総合職勤務、俺は外資系金融。都内なら履いて捨てるような夫婦の出会いは結婚相談所でお互い条件ありきで恋愛というわけではない。 件の彼女との出会いは学生時代だった。関西の某大学だ。友達友達にすごく可愛い子がいて、一目惚れしたから紹介してもらった。桜井日奈子に似た青春の象徴みたいな子だ。 めちゃくちゃモテてた。顔だけで当然だけど彼女は実家が凄かった。祖父が某企業の創業者一族で

    子供が出来たので過去の恋愛の話をして終わらせることにする
  • 【追記】夫が好きだという話

    【追記は最後です】 世の中不穏な話が多いが、私は夫が大好きだ。 夫が間抜けな顔で、厳しい顔で、むにゃむにゃした顔で、とにかく無防備な姿で寝てるのがかわいい。 YouTube見て「ふふ」と笑ったり、突っ込んだりする姿も愛おしい。 私の趣味で家に置いてるぬいぐるみたちを枕にして抱きしめてるのなんて、当にわたしの口元を緩ませる。 「わたしは掃除が苦手やからお願いね」と言ったら、毎週末風呂トイレ掃除と掃除機クイックルワイパーをかけてくれる。 頼んでなかったけど、「皿は洗う」というので任せてたら毎回必ずやってくれる。 夫の気遣いと優しさと、一緒に家庭運営をしようと思って行動してくれるところが当に大好きだ。 「ご飯何がいい?」って聞いたら「何でもいい」と言いやがるが、マジで何出しても満足そうにべてくれる。 「味はどう?」って聞くと「うんうん(いい顔)」だから作り甲斐もある。 「何作るか全く浮かば

    【追記】夫が好きだという話
  • 俺の町には植物園がない

    結局俺は、洒落たハイソな店でウインドウショッピングとか、立派な劇場で高尚な観劇とか、空いた時間でボルダリングとか、そういう都市的なアクティビティには興味がなくて、ただ植物園に行ってウロウロして、でけえ温室に入りてえだけなんだよな 植物園って、人が並んでねえ入り口で高くて400円程度のチケットを買うところからもう始まってんじゃん 800円とか1200円とかじゃなくてさあ、300円とか400円とか、ヘタしたら温室入らねえならタダだったりするわけじゃん その、やっすい入場料を払いながらよ、受付のある事務所に設営された、葉っぱの栞を作ってみよう!とか、まつぼっくりを拾おう!みたいな企画を目の端に捉えてさ、ヒア・イット・ビギンズ、俺の一日が始まるということになる 植物にそんなに言うほど興味ねえし、オフシーズンに来てるからさあ、実際園内に入っても、解像度はずっと低いままなんだよ 時期が良けりゃ花が咲い

    俺の町には植物園がない
  • めでたく40歳になったので語ってみる

    当に残念ながらめでたく40歳になったので記念におじさん語りをしてみる。 とにかく生きるというのは辛い。何度、発狂したことか。こめかみを押さえてうずくまることなんて月に何度もある。当に上手くいかない。 だが、諦めてはいけない。蓋をして見ないふりをすることもあるが、それでも時間がどれだけかかっても問題ついて対応方法を考え続けなければならない。 上手くいかない問題は何度も現れるからだ。何度も負けていると悪循環に陥る。自分以外に責任転換を始め、問題から目を背けるようになり、日々くだを巻いて愚痴を言うだけになる。 確かに自分にはどうしようもない事柄はある。それでも、自分の心が折り合える方法を探さなければ多くのことが壊れていく。 人生とはトラブルや問題の回答を探す繰り返しだ。ごくまれに嬉しいことがあるがマラソンの給水ポイントより少なく、夏の暑い日に一瞬だけ感じる風のようなものだ。 多くの人は誰かが

    めでたく40歳になったので語ってみる
  • 昨年亡くなった親類のマンションの部屋をわたしの父が受け継ぎ維持してい..

    昨年亡くなった親類のマンションの部屋をわたしの父が受け継ぎ維持している 親類の部屋は8階にある ときおり管理のためにわたしや父が交代で出かけて掃除や整理などする 昨日はわたしが赴いたが、体調が悪くなりそのままひとりで泊まることにした 突然のことで歯磨きをするすべがなかったので仕方なくそこに残してあった介護用の使い捨て口腔用スポンジで代用する ふにゃふにゃと柔らかく隙間が磨けない 歯磨き粉の味は1年ちかく経っても変質しないようだ 夜中悪夢を見て目が覚める その部屋で亡くなった親類の太い両腕がわたしの肩を枕の真上から押さえている 夢の中でこれは夢であると気づきそれで安堵する 自分のこれまでの身の上のふがいないことを親しかったその親類に叱咤されているような情けない気持ちでそのままうとうとと起きていた 朝になって鳥の声がよくきこえ、快晴、そのまま穏やかな午後になり、サンダルを玄関から持ち出して居間

    昨年亡くなった親類のマンションの部屋をわたしの父が受け継ぎ維持してい..
  • 24歳の頃、死のうと思って京都に行った

    うつと診断されて2年、ふと死にたくなり(しかもちょっと楽しくなってしまい)、急に飛行機に乗った。金はなかったので全部カードで借金して、京都に向かった。 なぜ京都かというと、西尾維新の戯言シリーズが好きで、オタクとして行ってみたかったからだ。 んで、せっかくの最後の宿だし、と思って小さい旅館を予約した。 携帯電話の電波とかで場所が割れるのは嫌だったので、アパートに携帯を置いて、遺書を用意して鍵を開けたまま出発した。「俺を探す人が鍵を壊す羽目になったら面倒だろうから」というサイコパス診断の答えかよみたいな理由だった。 季節は夏だったので、京都に着いたときにちょっと後悔した。 あの盆地特有の蒸し暑さ。身体が汗でびしょびしょになるのが不快で仕方なかったが「まぁでもすぐ汗かかぬ死体となるし」と思って流れる汗をそのままにしていた。 向こうで自転車を買い、千鳥居を観に行っては「七々見奈波が零崎人識と会

    24歳の頃、死のうと思って京都に行った
  • カタクチイワシ、悪くないですよ。口を開けるのも、むしろそれが基本姿勢..

    カタクチイワシ、悪くないですよ。口を開けるのも、むしろそれが基姿勢なので疲れません。閉じる一瞬、顎がカクンとなる感覚に「この次、口が開かなくなったらどうしよう」と怖くなる時もありますが、大抵の場合、泳げば口は勝手に開きます。だから大丈夫です。マイワシも同じなので、ご心配なさらず。 こいのぼりっているじゃないですか。風が吹く日に泳ぎ続ける彼らを見ていると、私もこんな感じで泳げているかなって我が身を振りかえるいい機会になります。仲間と並んで大きく口を開けて、風が体の中を通り抜けて。彼らも心では風になりたいって思っているんですかね。いえ、海の中に風は吹かないけど、水のゆらぎが体を通り抜けていく感じが続くと、むしろ体をおいて抜け出して、水のゆらぎになりたいって願うときがあるんです。 口を開けて泳ぎ続けると、プランクトンが入ってきては体から出ていきます。何も考えずともそれは昼夜にわたり繰り返され

    カタクチイワシ、悪くないですよ。口を開けるのも、むしろそれが基本姿勢..
  • 供養

    ただの僻みだから現実では吐き出せない思いをここで成仏させてください。実際にただの醜く汚い僻みなので。 職場にいる可愛い女がとにかくムカつく。 職場の近くにある安い弁当屋の弁当を買って、店からオフィスまでの距離をべながら歩き、職場に着くまでに完しオフィスの一階にあるゴミ箱に捨てる。人曰く「買ってきて広げてべて片付ける手間が省けるから」だと。 戦闘機と恐竜が大好きで、デスクの上に戦闘機の模型と恐竜の化石の模型が置いてある。一度気を使って「それ零戦ってやつ?」と聞くと驚いたような顔で「陸軍の重戦闘機ですよ。零戦は海軍の甲です」と返された。知るか。 ジップロックを化粧ポーチ代わりにしている。「中が見えるから便利」と無印やSeriaのコスメを無造作に入れている。 GUかユニクロでしか服を買ったことがなく、ブランド名やショップ名、通販サイトも知らない。SHEINも知らなかった時は衝撃を受けた。

    供養