今年2月に辞任したニュージーランドのジャシンダ・アーダーン元首相。アーダーンは2017年に、37歳で当時世界最年少の女性首相に就任した。その1年後には長女を出産。キャリアも家庭もすべてを手に入れた彼女の、自らの辞任は何を意味するのか。プリンストン大学教授のアン・マリー・スローターが英紙に寄稿した。 「すべてを手に入れる」は成功か 「すべてを手に入れる」──そんな概念から自由になるべき時代がきた。これは「コスモポリタン」誌の編集長を務めたヘレン・ガーリー・ブラウンが広めたフレーズで、1970年代から80年代の女性たちの理想を表現している。 スーパーウーマンという強い女性像が流行したことも手伝い、母のように家庭生活と仕事の板挟みになることなく、父のように自由にキャリアを追い求めたいというのが、当時の女性たちの望みだった。しかしこの考えは、フェミニズムとしてあまりに狭量ではないか。 そこでわたし
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