西川敦子(フリーライター) 【第30回】 2008年06月06日 就職氷河期のツケ? 「ロスジェネうつ」に悩む30代 ~ 専門家は語る 精神科医・名越康文氏【前編】 ~ 2007年に放映された人気ドラマ「ハケンの品格」は、当時おおいに話題になった。 主人公は、篠原涼子演ずる大前春子。きわめて有能だが、徹底した一匹狼で、会社の飲み会に参加するどころか、携帯電話の番号すら誰にも教えない。いつも無口でニコりともしない春子はクールともいえるが、メンタルヘルス面は少しばかり心配だ。 春子は1973年生まれ。つまり、今年35歳だ。1995年に大学を卒業した彼女は、就職氷河期に遭遇している。難関をくぐりぬけて最初に就職したのは、信託銀行。ところが経営統合でリストラの憂き目に遭い、その後勤めた会社でも、突然解雇されてしまう――。 就職難、リストラ、成果主義。大人になったとたん、まるで石つぶてのよう