コルクを辞めたスタッフとの、ある会話を最近よく思い出す。 「佐渡島さんのスピードに社員がついていけなかった時、どうしますか?」 「ベンチャーは、社長がスピードを落とすと止まる。誰よりも速く走る。そして、ついて来れる人間を連れていく。もしも、待てるなら、大企業のスピードも待てた。目標に到達することが大事だ。」とその時の僕は、答えた。 そのスタッフは、その会話から半年後にコルクを辞めた。彼はコルクの創業日に連絡をくれて、ボランティアでもいいから働きたいと言って助けてくれて、すぐにコルクも彼に給与を出せるようになった。彼がいなければ、創業時のコルクは絶対に回らなかった。 そのようなスタッフでもスピードのついて来れなかったら、敢えて別の道を行く。厳しさがベンチャー経営には重要で、目標に対して、僕がブレてはいけない。それが僕が心の中で繰り返し唱えていたことだった。 今の僕は、先輩経営者として、2年ほ