誰かの「やめた」ことに焦点を当てるシリーズ企画「わたしがやめたこと」。今回は、文筆家の岡田育さんに寄稿いただきました。 2年前に著書『40歳までにコレをやめる』を出版した岡田さんがその後さらにやめたのは、「“やめる”について思い悩み過ぎること」。 「ハイヒールをやめる」「化粧をやめる」など、著書で紹介したさまざまな「やめる」の中には、宣言通りやめたことも前言撤回したこともあるといいます。「やめる」は0か100かの大きな決断ではなく、スイッチをオン/オフするようなもの。その発想の転換が、心を少しだけ軽くしてくれました。 *** 「やめる」は「ズルい」? 39歳のとき、『40歳までにコレをやめる』というタイトルの本を出版した。シンプルライフに憧れつつ実際にはなかなかモノを捨てられない私が、せめて心の重荷だけでも手放して身軽に生きたい、と思って書いた本だ。ハイヒールをやめる、ポイントカードをやめ