健康的にお酒を楽しむには、どんなことに気をつければいいのか。筑波大学医学医療系の吉本尚准教授は「飲む量やアルコール度数を減らすといった『減酒』を意識したほうがいい。ただ、健康を考えるなら飲まないのに越したことはない」という――。 ※本稿は、吉本尚『減酒セラピー』(すばる舎)の一部を再編集したものです。 「酒は百薬の長」は本当か お酒にまつわる「空気」の変化は、日本だけのものではなく世界的な潮流です。確かにお酒には人と人との出会いを演出したり、料理をおいしくいただけるといった良い面もありますが、「実は少量でも飲むこと自体に害があるんじゃないか?」と考える人が増えてきたのです。 一般の生活者の実感からも、アルコールに関する研究者や医師たちの知見からも、そうしたことが近年、課題として浮かび上がってきたという感じです。昔から「酒は百薬の長」と言われてきました。「少し飲んだほうが長生きする」なんて、