単身高齢者が抱えるリスクは何か――。みずほ情報総研の主席研究員(兼・日本福祉大学教授)の藤森克彦さんは、貧困、孤立、要介護、住宅の四つのリスクを指摘します。また、解決策の一つとして、地域住民によるネットワークづくりを挙げています。インタビューの2回目では、「単身急増社会の備え」について聞きました。(聞き手・岩崎賢一) ――高齢者の単身世帯が抱える不安やリスクは、どういうものがありますか。 単身世帯は、2人以上世帯に比べて、貧困リスク、孤立リスク、要介護リスク、住宅リスクが高いと思います。 まず、貧困リスクについてみると、高齢者全体の相対的貧困率は男性15%、女性22%なのですが、独り暮らし高齢者の相対的貧困率は男性29%、女性45%と、高齢者全体の約2倍の水準にのぼっています(注1)。世帯類型でみても、高齢単身世帯の相対的貧困率は、他の世帯類型に比べて最も高い水準にあります。 また、孤立リ