開会式を2021年7月23日に控える東京五輪は、かつてなく国民の期待度が低い状態で始まることになりそうだ。 東京五輪をめぐっては、メインスタジアムにあたる国立競技場の建て替え問題に始まり、大会エンブレムの盗用疑惑、日本オリンピック委員会(JOC)と大会組織委のトップ交代など、コロナ禍による大会延期以外でも、多数のトラブルに見舞われながら準備が進められてきた。 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は21年7月に組織委を訪問し、「ここまで準備の整った大会はない、というものを準備いただいた」などとあいさつしている。開催決定から「準備が整う」までの8年間の迷走ぶりを、改めて振り返ってみた。 2020年月の聖火到着セレモニーであいさつする森喜朗・組織委会長(当時)。この数日後に大会の1年延期が決まった。2021年2月には「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言し、