吉田秋生の同名マンガを、1990年に中島ひろ子主演で映画化した「櫻の園」は、日本アカデミー賞優秀賞をはじめ21もの映画賞を受賞した名作。劇中に特に大きなドラマがあるわけではないが、女子校の演劇部を舞台に、チェーホフの戯曲「櫻の園」上演に取り組む高校生の青春、葛藤、表情を見事に切り取った中原監督の手腕は、各方面から高い評価を受けた。 そんな中原監督が再びメガホンを執り、「櫻の園」の後日譚を描いたのが福田沙紀主演の「櫻の園 ーさくらのそのー」。同作のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたオスカーの石川薫専務が「最低でも興行収入15億円」と豪語するほど、製作に携わったオスカープロモーションの大きな期待を背負っていた作品だ。 ところが、11月8日の公開直後から観客動員は大不振。テレビCMやYahoo!JAPANでのプロモーションを展開するなど、宣伝に力が入っていたにも関わらず、なかなか客足は伸びな