8月30日に投開票された衆院選は、民主党が大躍進し、政権交代を実現した。自民党は300から119へ大幅に議席を減らし、結党以来の第1党から転落し、都内でも多くのベテラン議員が落選した。143人もの民主党の新人議員らに注目が集まる中、ほとんど伝えられることのない「落選議員」たちは何を思うのか。東京2区(中央、文京、台東)で10選を目指し、落選した深谷隆司元通産相(73)に密着した。【田村彰子】 ◇「これからは本音で語る」 衆院選から約2週間が経過した今月15日、台東区雷門の一角にある自宅を訪問すると、深谷さんは、ちょうど来客を見送っていた。「来てくれてうれしいよ」「雷門にお参りの時は、休憩所代わりに使って」と、握手をして送り出す。記者が玄関で待機していると、さらにもう1組の来客が帰っていった。 玄関脇の一室に通され、「さっきのは、みんな役所の大幹部なんだ」と説明してくれた。民主党の打ち出す「