普通の材料でつくる極限の味、その名も「ファイナルカレー」。カレーの達人である水野仁輔さんは、20年以上かけてたどり着いた究極のレシピを、新刊『いちばんおいしい家カレーをつくる』(プレジデント社)で解説しています。最大のコツは、加熱のコントロール。水野さんの言う「火加減、油加減、塩加減、水加減、手加減」のポイントとは――。 常識を疑う好奇心と勇気 カレーをおいしく作るために最も大事なことは、玉ねぎをアメ色になるまで炒めることだと言われています。鍋に長時間張り付いて、みじん切りにした玉ねぎを弱火でじっくり炒め続ける。木べらをこまめに回しながら。ちょっとでも焦がしたら台無し。やりなおし。逆に「全体的にきれいに色づくまで炒めることができれば、おいしいカレーの8割は約束されたようなものだ」というシェフさえいます。 本当でしょうか? 全部、間違いです。玉ねぎ炒めは、最も多くの人が関心を抱いていますが、