ハリウッドでは映画本編へのプロダクト・プレイスメント(自社製品の露出)も活発だ。最近でもキアヌ・リーブス主演の『地球が静止する日』にはホンダ(3位)のシビックハイブリッドが登場している。タダで見られるテレビCMより、おカネを払って見る映画のほうが広告到達率や印象の定着度が高いためだ。広告戦略を見直す中で、邦画に同じ手法を持ち込もうとしてもおかしくない。そうなれば、4マス広告はますます窮地に立たされる。 サントリー、味の素は新聞広告を積極活用 捨てる神あれば、拾う神あり。自動車が紙媒体に対し厳しい評価を下している一方で、紙媒体への再評価が広がっている業界もある。4マス広告に占めるシェアが8%以上に及ぶ食品業界だ。 08年度、参入46年目にして悲願の黒字化を達成したサントリー(22位)のビール事業。年間シェアでライバルのサッポロを抜き去り、アサヒ、キリンに続く業界3位に躍り出た。この躍進を
「まだ決まらないのか」――。広告代理店業界は今、異例の事態に慌てている。新年度まで3カ月を切り、普通なら次年度広告予算が見えてくる時期だというのに、「自動車メーカー各社は何も言ってこない」と、大手広告会社社員が口をそろえる。 自動車メーカーの広告は、国内4マス(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)広告の6%強を占めるうえ、1社当たりの広告宣伝金額が大きい。下表ランキングを見ればわかるように、トップ5に3社が顔を出す。こうした大手の動きが見えないと、来年度の展望が開けないのだ。 下グラフのように2008年度は4マス向け広告費が前期比2ケタ減と過去最大の下落率になる。しかも、テレビ広告は、スポットだけでなくタイム(番組スポンサー広告)も放映前のギリギリまで枠が埋まらないことが頻発。まさに綱渡りの展開だった。「来年度はさらに底抜けの減少になるのではないか」――。こんな恐怖に、テレビ・新聞、代理店業界
氏家齊一郎・日本テレビ放送網取締役会議長――テレビ広告はさらに減る、生き残るのは2〜3社だ(1) - 09/02/09 | 17:31 関連記事 ・業績が軒並み急悪化! 追い込まれる巨大マスコミの構造問題 広告減少で青息吐息のテレビと新聞。このかつてない厳しい環境を3年前から警告していたのが日本テレビ放送網の氏家齊一郎取締役会議長だ。マスメディアの変遷を半世紀以上見続けてきた重鎮は、メディアの未来をどうとらえているのだろうか。 ――景気後退の影響を受け、新聞、テレビの広告が、底が抜けたように減少しています。 現在の広告減少は景気循環的なものではない。今進んでいるのは、もっと大きい構造的な変化だ。私は3年ほど前から構造的変化が起きていると感じ、社内外で発言してきた。 構造的変化とは、端的にいえば流通の寡占の進行だ。アダム・スミス以来の市場メカニズムの考え方は、不特定多数の供給者と不特定
マイクロソフトが5000人削減の過激リストラ、“戦略ミス”で思わぬ不振 (1) - 09/02/06 | 17:30 「修正計画後の売上高予想は下限が7%だが、2ケタ成長をあきらめていない」―― 昨年11月、週刊東洋経済インタビューでマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOはこう語っていた(→関連記事)。だが、フタをあけてみると、第2四半期(2008年10〜12月)の売り上げは、下限見込みを約9億ドル下回る166億ドル。四半期では過去最高ながら前年同期比2%成長にとどまった。 不振の原因はパソコン向けOSの「ウィンドウズ」を担当するクライアント部門。他の部門がすべて伸びる中、同部門だけ前年同期比8%も減少した。ウィンドウズ不振の主因は、低価格パソコン「ネットブック」のシェアが上昇し、最新OSの「ビスタ」より安価に価格設定した一世代前の「XP」が売れるようになったため。これは景気減速の
関連記事 ・テレビ広告はさらに減る、生き残るのは2〜3社だ――氏家齊一郎・日本テレビ放送網取締役会議長 「10月改編のネットタイムの空き枠25分超」――。昨年9月24日、テレビ朝日の営業局は背筋の凍る思いをしていた。 “ネットタイム”とは、全国“ネット”と、番組時間内に流すCMである“タイム(スポンサー広告)”を足し合わせた業界用語だ。全国放送されるスポンサー広告は長期契約のため、テレビ局の収益の基盤だ。スポンサー広告の最小販売単位は30秒。「25分超の空き枠」は、単純計算で50本以上のCM枠が余っていることを意味する。 10月はテレビ局にとって、年に2回の番組の改編時期だ。つまり、テレ朝は、あと1週間余りで新番組が始まるにもかかわらず、複数の番組でスポンサーが固まっていないという“異常事態”に陥っていたのである。しかも、前週の9月17日から、懸命に営業努力したにもかかわらず、1週間
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