ふくろうカフェに魂を鷲掴みにされてからどれくらいの時間が流れただろう? 1年?2年? 間違いなく言えることは、ふくろうカフェに足を運べていないおかげで、僕が、現在、公私ともに乾燥し、潤いに欠けた生活を送っていることだ。 僕ら夫婦は風邪をこじらせ、倒れていた。冬の寒い夜だ。こんなとき子供がいない夫婦二人きりは寂しい。熱に倒れ、天井を見ながら「このままでは僕らはただ老いていくだけだよ」。僕がボヤくと、妻は「沖縄行きたい」「猫ちゃん飼いたい」と言ったきり虚空を凝視した姿勢で固まってしまった。潤いがなさすぎる。僕は強い危機感を持った。 ペットセラピーというものがあるように、僕ら、渇き荒んだ夫婦関係に潤いを与えるのはもふもふ毛の生えたカワイイ動物に触れることだ。ふくろうしかない。僕は天井を見つめながら妻にふくろうカフェに行こうと提案した。「猫ちゃん飼いたいっていいましたよね?」「言ったよ?」「な