台風情報を伝える際に、「ことしは台風の当たり年だ」という言い方を聞いたことがあります。適切な表現ではないと思うのですが…。 「当たり年」は「縁起の良い年」「幸運に恵まれた年」のことです。「台風の当たり年」などという言い方は、配慮に欠ける不適切な表現です。 「当たり年」の意味について国語辞書は次のように記しています。 「収穫や利益の多い年。転じて、物事が思うようにうまくいく年。縁起の良い年」(『広辞苑 第6版』岩波書店)「①ある農作物や果物などの収穫の多い年。②物事が順調にいき、幸運に恵まれた年。」(『大辞林 第3版』三省堂) このように「当たり年」とは「縁起の良い年」「幸運に恵まれた年」のことを意味し、この語を使った「台風の当たり年」という言い方は、被災者・被災地への配慮に欠ける不適切な表現です。そのような場合には、なるべく「ことしは、○○もの台風が日本列島を…」などと具体的に言ったほうが