特に私は、動き出せばやる気になるという事実の説明に対して「作業興奮」という用語は、まったく不十分だと感じてきました。実際、原稿を書き出してもさっぱり進まないことがよくありますが、それは、「興奮した」ところで作業に移せるとは限らないからです。興奮自体も不十分なことが多々ありますが、たとえばものを書けないという場合、覚醒レベルだけを高めても、どうにもならない技術的な要因が多く残ります。 身体を動かせばいいようなこと、たとえば掃除やスイミングなら、興奮レベルが高まるだけで、まずまずうまくいくのですが、知的作業に作業興奮は今ひとつ役立たないと、私はずっと考え込んできていました。 自分自身への「影響力の武器」 本書は、いわゆるマーケット心理学の解説本であり、色々と賛否はあるものの、現実に幅広く応用されている知見です。しかし、私はマーケットに従事していないため、その点ではたんに興味本位で読みましたが、