バリ島を舞台にした小説やエッセイをいくつか読んでいます。昔読んだ吉本ばななの『マリカのソファー/バリ夢日記 (幻冬舎文庫―世界の旅)』はもう一度目を通してもやっぱりけっこういい小説だなと思ったし、あとは椎名誠のエッセイ『あやしい探検隊 バリ島横恋慕 (角川文庫)』なども面白かった。今回は、そうした中でいちばん気に入った中島らもの『水に似た感情』の感想を書きます。 水に似た感情 (集英社文庫) 作者: 中島らも出版社/メーカー: 集英社発売日: 2016/04/01メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る マジックマシュルームの島、躁鬱と多重人格 けっこう前に宮田珠己さんの『旅の理不尽 アジア悶絶編 (ちくま文庫)』って本を読んだのですが、バリ島編の中で、あの幻覚成分を含むマジックマシュルームを体験した話が出てきます。そして何と、この『水に似た感情』の中にもマジックマシュルームが