“キャラクター小説”というジャンルを知っているだろうか。かつては“ライトノベル”と同義だったが、今、一般文芸作品にライトノベルの手法をうまく盛り込んでキャラクターを立たせた“キャラ立ち小説”が読者を強くひきつけているのだ。『ダ・ヴィンチ』8月号では今、大注目のキャラ立ち小説を大紹介。 たとえば、シリーズ累計300万部を突破した『ビブリア古書堂の事件手帖』、コミック化、アニメ化を果たし、多くの女性を虜にした『彩雲国物語』、ドラマ化を前提とした新人賞で大賞に輝いた『猫弁』――。表紙や挿絵にキャラクターイラストをあしらった作品ばかりではなく、必ずしも若年層をターゲットにしているわけでもない。一般文芸のような確かな読みごたえがありながら、キャラクター性で読者の心をしっかりつかんでいるのが特徴だ。軽妙な掛け合い、ぶつかり合う登場人物たちの個性、そこから生まれる人間ドラマ。実在感のある個性的なキャラク