新年度の景気はどうなるのか。筆者が重視するのはまず1に財政政策、2にチャイナリスク、3が金融政策である。中国情勢は日本自身の手ではどうにもならないし、金融緩和政策は効果に限界が見える。2年前の消費税増税後、経済のゼロ成長に直面する安倍晋三政権が来年度予定の消費税再増税の先送りに加えて、大型補正予算編成に取り掛かるのは当然としても、補正の規模と中身が問題だ。 財政資金規模は国内総生産(GDP)の約5割相当だから、そのさじ加減が経済を左右するのに、歴代政権は過去20年間も、民間から税などで吸い上げた資金の一部しか民間に戻さない緊縮財政路線でほぼ一貫し、デフレを呼び込んできた。その緊縮の度合いが最も激しいのは、皮肉なことに脱デフレを掲げる安倍政権だ。 2012年12月に発足した第2次安倍政権はアベノミクスを打ち出し、異次元金融緩和政策と機動的財政出動を第1、第2の矢とした。金融緩和と財政支出の2