加藤文宏 1 6月19日、安倍晋三元首相暗殺事件で起訴されている山上徹也に対して、精神鑑定で「完全責任能力」があるとする結果が出た。2日後の6月21日、山上が「現在のような状況を引き起こすとは思っていなかった」と語ったと報道された。「(宗教)2世の人たちにとって良かったのか悪かったのか分からない」とも言ったそうだ。 山上の新証言は、彼の弁護団が言うように「明確な真意を確認できない」が、彼にとっての想定外な状況が何者によって引き起こされたか改めて考えさせられる発言だ。拘置所の中にいる山上の言動はほとんど外部に伝えられていないのだから、現状を作り出したのは塀の外にいる者たちである。 まず、暗殺事件の直後から犯行の意図や山上の心理について「知っている」「わかる」とする者たちがいた。そして、これらを前提にして安倍晋三氏と統一教会(現家庭連合)や自民党と教団の関係を糾弾する動きだけでなく、信者を社会
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