──日本の常識はやはり非常識だった。「私たちは1匹も殺さない」と 動物保護施設の職員はいう。そこに気負いはない。 それがドイツでは当たり前のことなのだ。── ベルリン市中心部から車で約20分、住宅街に隣接して突然、緑あふれる空間が現れる。 「静かな環境、たっぷりの採光、そして十分な遊び場」 それがここの売り。 サッカーコート約30面分もの敷地内に人工の池を配し、管理が行き届いた芝生を敷き詰め、外観を白系に統一された建物が余裕を持って並んでいる。 人間が住む高級マンションの話ではない。ここは動物保護施設「ティアハイム・ベルリン」。元は1901年に設立された施設だが、2001年に約50億円かけて建て替えられた。 ■恵まれた施設・スタッフ 犬たちは庭付きの個室で思い思いに過ごしている。明るい日差しの下で昼寝をしている犬もいれば、屋内でエサを食べている犬もいる。床暖房が完備されているから