映画『開戦前夜』を見た。石井裕也監督が猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦』(中央公論新社)を原案に撮った作品で、昨年放送されたNHKスペシャル『シミュレーション〜昭和16年夏の敗戦〜』のドラマパートに約40分を加えた劇場版だ。1941年、内閣総理大臣直轄の「総力戦研究所」に集められた若きエリートたちが、模擬内閣を組んで日米開戦の帰結をシミュレーションし、「日本必敗」という結論に至る。しかしその予測は採用されず、国は開戦へと向かっていく。 私はこの話を、以前から自分の仕事に重ねてきた。コロナ禍で露呈した「デジタル敗戦」のあとの日本政府のデジタル政策、とりわけ私が関わっている「自治体システム標準化」である。参議院で参考人として意見を述べた際にも『昭和16年夏の敗戦』に言及したことがあるくらい、本気で重ねている。 単純化されていなかったことへの安堵「戦争はいけません、日本必敗という予測に従わずに開戦し

