滋賀県と岐阜県にまたがる、標高1377メートルの伊吹山。 日本百名山のひとつで、かつては年間20万人以上が訪れる、観光客や登山者でにぎわう山でした。 しかし、ことし7月。 ふもとの滋賀県米原市の伊吹地区で立て続けに土砂災害が3度発生しました。いずれの災害でもけが人はいませんでしたが、床上まで土砂が流れ込むなどあわせて7軒の家に大きな被害が出ました。 なぜ同じ地区で繰り返し土砂災害が発生したのか。 原因を探っていくとある意外な存在にたどりつきました。 (大津放送局 記者 丸茂寛太) ことし7月1日午前10時前。 1本の連絡が消防団から米原市に入りました。 「土砂崩れがあり、人が通れないくらい道路に流れこんでいる」 土石流が発生したのは伊吹山のふもと、300人あまりが住む伊吹地区。 現場に駆けつけたNHKのカメラマンが撮影した映像には、伊吹山から流れ出たとみられる大量の土砂が道路を寸断している