先日から日本的組織にユニークな要素を考え続けている。いまふと思いついた。日本人は「組織に酔う」のだ。「組織酔い」の中で簡単に自分自身を見失う。 ベトナムのなじみのカフェでウェートレスと視線が合うと、にっこり微笑んでくれる。しかし、この笑顔は彼女がウェートレスで私が客だからではない。私の存在に見慣れたので、仕事とは関係ない一人の人間として私に微笑みかけているのだ。その瞬間、彼女は素の人間に戻ってしまっている。 ベトナム人は決して「組織に酔わない」。組織のために自分の命を捨てたりしない。彼らが命を捨てるのは家族のためだけであり、決して他人の集合体である組織などのためではない。組織の中で、なぜ自分がそこにいるのか、常に覚めた意識を持っている。 私が日本の新卒一括採用のプロセス全体に激しい違和感を感じるのは、採用側はすでに「組織に泥酔した」人々であり、学生たちに同様に組織に酔って我を忘れることを要