タトゥーを彫るのは痛い。しかし、その痛みは目的を達成するための単なる手段である。タトゥー・アーティストは、顧客の痛みが我慢の限界を超えないよう気を配り、休憩時間を挟んだり、最低限の痛みですむよう心がけている。だから、身体の自由が奪われ、間断なく刺される針から逃れようと苦しみながらも、不動の状態を強要されるタトゥーは普通ではない。また、休憩もほぼ取らず、やたらと長く太く浅い線を彫るタトゥーアーティストたちの顔に、サディスティックな歓喜の表情が浮かんでいる状況には、なかなかお目にかかれない。 そこで、タトゥー・プロジェクト〈ブルータル・ブラック〉を紹介しよう。彼らの活動と比較すると、曼荼羅すら何の意味も持たず、ネオ・トラディショナルや和彫、トライバルといった最近流行りのタトゥーは、単なるファッションのいち部でしかないと思い知らされる。ヴァレリオ・キャンセリアー(Valerio Cancelli
![痛みの限界を賜うタトゥー集団〈ブルータル・ブラック〉](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/78be623b461d096e3e6ec5d4ae7a4caf84083188/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fvideo-images.vice.com%2Farticles%2F58feaae235b4606096b7109f%2Flede%2F1535592636278-1493085369134-20170315-_MG_6845.jpeg%3Fimage-resize-opts%3DY3JvcD0xeHc6MC43NTA0NzY0OTMwMTE0MzU4eGg7Y2VudGVyLGNlbnRlciZyZXNpemU9MTIwMDoqJnJlc2l6ZT0xMjAwOio)