2018年から3年間、韓国コンテンツ振興院日本ビジネスセンター(KOCCA JAPAN)のセンター長を務めたコンテンツプロデューサー黄仙惠(ファン・ソンヘ)氏が『韓国コンテンツのグローバル戦略 韓流ドラマ・K-POP・ウェブトゥーンの未来地図』(星海社新書)を著した。韓国と日本のドラマや音楽ビジネスのしくみはどんな点が異なるのか、韓国の文化支援政策ではどんなことに力を入れてきたのか。黄氏に訊いた。 前編記事『エンタメ産業、世界で通用する「韓国」と「日本」の「圧倒的な違い」』より続く。 韓国政府の文化支援で重要なのは現場の「基礎・基盤」への投資 ――日本でしばしば語られる「韓国のコンテンツは国策によるゴリ押しで売れた」説について、支援に従事してきた当事者としてはどう思いますか。 黄 「国策で売れた」というイメージはまったくの誤解ですが、政策がなかったわけではありません。政策とはそもそも何か。