ある有名Serifenlose書体をテーマにした本(4844358308)や、同じ出版社から最近出された文字遣い入門書(484435907X)など、21世紀になって何年も経つのに、相も変はらず「日本でSerifenlose書体のことをゴシックと呼ぶのはAlternate Gothicを略してゴシックと呼ぶようになったから」といふ説明をするデザイン書があるってことに驚きを隠せねぇ己だ。 明治初年に米国産Gothic活字(単に「Gothic」といふ名で呼ばれてゐた活字)が日本の印刷所に購入されてゐるのだし、和文「ゴシック体」活字がGothicを名乗った最初の印刷物は明治二十七年(一八九四年)の野村宗十郎『座右之友』(東京築地活版製造所)の「五号ゴチック形」(http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/755589/47)と目されてゐる。American Typ