先日、加地伸行の『漢文法基礎』の書評をcakesに書いたおり(参照)、江戸時代における朱子学の歴史をできるさけ最新の知見で、かつ実証的に見直してみたいと思っていた。本書『江戸の朱子学(土田健次郎)』(参照)はそうした関心・視点から読んだ。そしてそこからすると、実に簡便に全体が見渡せる良書であり、また今後のこの関連の読書の手引きとなる情報を多く、レファレンス本としても有益だった。 本書は、「あとがき」にも書かれているが、「専門家のみに書かれた書でないため」とあるように、一般的な読書人にとっても読みやすいレベルで書かれている。 特に、この関連の分野では実質必読文献である丸山眞男の『日本政治思想史研究』(参照)、またその一般向けとも言える『日本の思想』(参照)では荻生徂徠に焦点がとなりゆえに同時代性パースペクティブが失われがちだが、本書ではこれに同じく国学の本居宣長なども含め、江戸時代における朱
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