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ブックマーク / stanza-citta.com (5)

  • いろいろクドい話 » 幻の東部戦線 30 (孤立無援の連邦軍)

    西側諸国の負担軽減への期待とドイツの軍事力復活への疑念に取り囲まれながらの再軍備は国内的にも国民の反発を押し切って進める困難な作業でした。敗戦後の非ナチ化政策と非武装化政策に後押しされた再軍備への反感は日とは比べ物にならない程に強力で、新生ドイツ連邦軍を歓迎する雰囲気はまったくありません。そんな空気の中で一旦は完全に解体した軍隊をごく短期間で再建するのは大変な仕事でした。 新しい軍隊の基幹となる士官クラスの募集は最初に着手されましたが、候補者はそれなりにあっても全てを採用する訳には行きません。ナチスとの関係が薄いもの、戦争犯罪と縁の無い者、思想的に民主主義を受け容れる者といった数々のフィルターが設けられ、人材選抜委員会が一人ずつ審査していったのです。選抜委員会は国内の主要政党から代表者が数名ずつ選ばれ、一部に旧国防軍の将軍達が参加しています。この審査を通過すれば再軍備に批判的な社会民主党

    lotus3000
    lotus3000 2015/06/09
    ドイツ軍再編の社会的な変化。ワイマールへの復帰という形で生き残った。
  • いろいろクドい話 » 幻の東部戦線 34 (平和共存路線はなぜ生まれたか?)

    スターリン時代のソ連が防衛戦略を強いられた最大の理由はいうまでもなくアメリカの核戦力です。ソ連は1949年に原爆実験に成功し、重ねて1953年には水爆実験まで行い、直ちに核戦力を手に入れたような印象がありますが、ソ連側の宣伝とは異なり、その実態は1960年代を迎えるまで核戦力としてはほぼ丸腰に近い状況でした。「スプートニクショック」や「ミサイルギャップ」と呼ばれる騒動を迎えた時期でさえ、アメリカを相手に全面核戦争を戦う力はまったくありません。 1960年になってもソ連にはアメリカ土を狙える強力な核戦力(射程距離7000kmを誇るも誘導装置を目標から500km以内に設置しなければならず、実質的に米土を狙うことができないSS-6とアメリカ土向けの前進基地を欠いた少数の長距離爆撃機部隊のみ)がないどころか、戦場で使用する小型核兵器の部隊配備はアメリカに大きく遅れ、203mm核砲弾の開発は行

  • いろいろクドい話 » アメリカ戦艦の辿った道 9(戦艦部隊の黄昏)

    アメリカ海軍の中で太平洋戦争中も戦艦の地位は揺るがなかった」と唐突に言われても、そうそう素直に頷けません。開戦以来、真珠湾では航空攻撃で太平洋艦隊の主力戦艦が壊滅的な損害を受け、マレー沖ではイギリス海軍の誇る新戦艦と高速巡洋戦艦が陸上攻撃機によって撃沈されるなど、戦艦の地位はガタガタに低下したはずですし、それが証拠に戦争後期のアメリカ戦艦は水陸両用部隊の上陸を支援する巨大な砲台としての役割を担うか、速力で空母に追随できる新戦艦は空母の護衛として強力な対空砲火で日陸海軍機の攻撃を撥ね退ける防空艦として活躍したのですから、どう考えても戦艦のステイタスは戦前とは180度異なる、空母と地位を逆転した存在に変容していたはずです。 戦史に記録された戦艦の戦術的な効果は確かにその通りで、そのような防空艦や陸上砲撃用の砲台としての役割で実績を残していますが、それらの戦術的な結果を戦艦そのものの存在意義

    lotus3000
    lotus3000 2015/04/29
    核が軍艦を葬り去ったのか。
  • いろいろクドい話 » ソ連陸軍が到達した唯一の正解

    数あるドイツ軍礼賛戦記の中に確立しつつある「末期戦モノ」とでも言うべきジャンルでは必ず「○○攻勢に赤軍は野砲何千何百門、戦車何千何百輌を集結し」とうたい上げて敵の物量を強調するのが約束事です。この数字の読み上げは「精強を誇るドイツ機甲部隊であっても赤軍の膨大な物量の前に敗北は必至だった」と悲壮な雰囲気を盛り上げる道具ですから、太平記の語り口みたいなものです。 こうした太平記方式では「大砲が沢山あるなぁ」とは思えてもなぜ、何のためにそんなに大砲があるのかが解りません。膨大な物量を誇りながら、ちっとも豊かなイメージの無い世界史の奇跡のような存在のソ連軍がなけなしのリソースをどうしてこんなに注ぎ込んだのか疑問に思わない書き手も書き手、読み手も読み手です。 ドイツ軍の現状がどうであれ、ソ連軍が攻勢のために準備した砲兵火力は何処の何と比べて多いのか少ないのか、多くても少なくてもその理由や目的が解らな

  • いろいろクドい話 » 砲兵の仕事 3 (砲弾大量消費時代)

    さて、第一次世界大戦がどんな政治上の問題からどうやって始まったか、私はさっぱり解りませんが、連合国陸軍にとって世界大戦が勃発した直後からはっきりわかった事があります。それはイギリス軍やフランス軍の野砲部隊が装備する75ミリ級の軽野砲が、ドイツ軍の野砲部隊に配備されていた15センチ榴弾砲に威力の点で格段に劣り、射程でも圧倒的にアウトレンジされている、という現実でした。距離を置かれては射程が届かず、肉迫しては大威力の榴弾に撃ち負けるという、頭の痛い問題です。75ミリクラスの軽砲ゆえの機動性や発射速度の高さは野戦榴弾砲の火力を相殺できなかったのです。 それでも緒戦では野砲兵は何度も何度も敵前500m以下に躍り出て放列を敷き、敵弾を浴びながらも強力な榴霰弾射撃を行っています。銃火を浴びながらの直接射撃は野砲兵たるものの義務であり、開けた場所を突進してくる歩兵部隊には野砲が近距離で発射する榴霰弾は十

    lotus3000
    lotus3000 2010/04/21
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