「オウムの例に顕著なように、霊性進化論は、その思考を突き詰めてゆけば、人間は神に進化するか動物に堕ちるかの二つに一つであるという、極端な世界観であると言わざるをえないだろう。しかし、本書の記述において徐々に明らかにされるように、現代社会には、知らず知らずのうちにこうした世界観に絡め取られることになる思想的回路が、さまざまな場所に張り巡らされている」(新書版p.18) 神智学、超古代史、UFOコンタクティー、マヤ歴世界終末説、爬虫類人陰謀論、オウム真理教、幸福の科学。一見してばらばらに見える様々なオカルト潮流の元となっている共通の思想体系とは。新書版(筑摩書房)出版は、2013年07月です。 現代の様々なオカルトや新宗教を、「霊性進化論の展開」という視点で読み解くと、あら不思議、奇怪に入り組んだ迷宮のようにも思えた現代オカルト史が、驚くほどシンプルにすっきり理解できる。宗教学者がオカルトの沼