1杯目:描きたいものは欠損させる ゲームシナリオで描きたいものは、あえて欠損させる。 描きたいからこそ、損なわせていく――そういうシナリオの書き方があります。例えば、「友情」がテーマの場合。友を奪い、裏切らせ、友を失わせます。そうすることで、「友がいた時間」「友を求める心」「友だからこそ許せない気持ち」などなど、様々な角度で、友人との関係を描けるのです。 物語はいつも、大切なものを失ってからはじまる。あるいは、加速するのですね。 「テーマ=描きたいものを、あえて欠損させる」――これと、似て非なる形で。「大切なものを奪えば、先に進みたくなる=動機づけ」という考え方があります。 テーマと動機――これは、とても良く似ているので、ごちゃまぜに指示されることもあります。ですが、ゲームシナリオを設計する際、とくにバトルがあるRPGでは、このふたつを混ぜてしまうと、物語がゲームにあわなくなってしまう場合