書店の子どもコーナーで、「売れてます!」とポップが掲げられた「1日10分でえがじょうずにかけるほん」(講談社)を見つけた。 3歳〜6歳対象の本だが、自己啓発チックなタイトルと、「じょうずにかく」というフレーズには、「子どもの独創性を奪う」とか「画一的な教育」みたいなイメージを受ける人もいるかもしれない。 だが、中身を見たら、これが全然違っていた。 作者・あきやまかぜさぶろう氏のことばによると、きっかけは、自分の子どもが5歳のときに描いた母の日の絵が、一本の線だったこと。 「そのとき形が描けないのだなーと思い、どうしたら形をわかりやすく、とらえることができるのかと考えた」、つまり、形をすべて○△□に分解すれば、かんたんに形をとらえられるのでは? という理論である。 これにはちょっと唸った。 私自身、絵が不得手で、何を描いても細い線のものがない絵になってしまうのだが、これは頭の中で「かたち」を