小学校1年生のとき、給食にレーズンパンが出た。 給食の時は、6人で班を作り、机を向かい合わせて食べる。 配膳も班ごとに行い、ゴミ箱も6人で共有して使う。 同じ班に、富田さん、という女の子がいた。 気が強くて、レーズンが嫌いだった。 レーズンパンの日はいつも、レーズンだけをゴミ箱に捨てていた。 しかしそれが先生に見つかり、やめましょうね。と通達があった矢先のこと。 うちの班のゴミ箱には、その日もレーズンが捨ててあった。 見回りに来た先生が気付き、とがめた。 「レーズンをゴミ箱に捨てたのは誰ですか?」 (富田さんじゃないかな) と皆が思った。 しかし、富田さんはとても目立つ子で、スクールカースト的に権力があった。 一方、私はカーストの最下層で、何を言われても 「・・・」 が口癖だった。 (べにちゃんのせいにしておこう) と、皆は思ったにちがいない。 そして案の定、富田さんが「べにちゃんだとおも