昨年12月下旬、ウクライナに対する米国の援助が底をつき、ウクライナの戦争努力向けにジョー・バイデン米大統領が議会に求めている610億ドル(約9兆円)の追加予算案の採決を米議会のロシア寄り共和党議員らが拒んだとき、この「背信」の影響を真っ先に受けることになったのはウクライナ軍の砲兵部隊だった。 ウクライナ軍が使う榴弾砲やロケットランチャー、そしてその弾薬の主要な供与国は米国だったからだ。 昨年の夏には、ウクライナ軍の砲兵部隊は砲弾の発射数でロシア軍に対して優勢とは言わないまでも互角だった。だが、現在はロシア側が5倍の差で圧倒している。具体的に言えば、ロシア軍は砲弾を1日に約1万発発射しているのに対して、ウクライナ側は約2000発程度にとどまっている。 その結果、ここへ来てロシア軍の砲兵部隊は調子づいているようだ。ウクライナ側から反撃される危険にわずらわされなくなったロシア軍の砲兵部隊は、前線