元気だった頃のサツキ=2010年撮影、上野動物園提供 上野動物園(東京都台東区)で飼われていた雌のカバ「サツキ」が16日に死んだ。同園が18日に発表した。東日本大震災直後に転んで左前脚が化膿(かのう)性関節炎となり、痛みや炎症が全身に広がったのが原因だという。39歳11カ月。同園によると国内6番目の長寿カバだった。 同園教育普及課の井内岳志学芸員によると、3月11日に本震が起きた後、サツキは飼育舎の室外にあるプールから、室内に入る階段を上ろうとして左前脚を滑らせて転んだという。井内学芸員は「幼い頃から上り下りしている階段で、普段なら転ぶことは考えられない。本震と相次ぐ余震で相当、落ち着かない様子だったようだ」と話す。 脚を引きずるようになったため、プールに入る時間を長くして負担を減らしていたが、4月9日ごろから急に食欲が落ち、15日には全身に力が入らずへたり込む状態になったという。