日本のIT業界は、経済界全体からすると二流、三流扱いもされていないどころか、「IT産業」というカテゴリーすら存在しないのだな――。伊藤忠商事が伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)を完全子会社化するとの発表を聞いたとき、そう感じた。別に、伊藤忠商事やCTCにイチャモンをつけているわけではないぞ。日本のデジタル革命を支える重要な存在のはずのIT業界の現状を、改めて思い知らされたのだ。 おっと、話を進める前に少し訂正しておかないといけないな。ここで言う「IT業界」とは当然、人月商売を主ななりわいとするIT業界のことで、次々と新たなスタートアップが誕生している「新たなIT業界」のことではないぞ。人月商売のIT業界などというと、他業界の人や学生など、IT業界をよく知らない人は「特殊な世界」と誤解してしまうかもしれないが、それが日本のIT業界の主流派だ。富士通やNTTデータを筆頭に、野村総合研究所(
![子会社系ベンダーが幅を利かせる人月商売のIT業界、「IT利用産業」でしかない現実とは](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/5bdac6f91a418269673cd5a5134cf39dbb668b54/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fatcl%2Fnxt%2Fcolumn%2F18%2F00148%2F080900297%2Ftopm.jpg%3F20220512)