2月22日、日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新した。証券会社で社員たちが大きな拍手をする映像がニュースで伝えられたが、はたしてどれほどの人がこれを我が事として実感できただろうか。著書『「人口ゼロ」の資本論 持続不可能になった資本主義』で、日本で進行する想定外の人口減少の原因は若者の貧困化にあると喝破した大西広慶應義塾大学名誉教授が、現在の株バブルの異常さについて緊急寄稿した。 前回のバブルより異常な今回のバブル 日経平均株価が史上最高値を更新しているが、他方で経済の停滞ムードは続いたままで、1980年代末のかのバブルとは様相が完全に異なっている。80年代のバブルがどう見ても「行き過ぎ」だったので今回は慎重になっているのだと言う人がいるかもしれないが、そもそも賃金が上昇していた中成長時代のバブルと、現在のそれとは根本的に異なる。80年代後半のバブルも当時としては極端な低金利であったと