2008年のリーマンショックを引き金に、一時1バレル30ドル台まで下落した原油先物だが、その後再び上昇に転じ、100ドルを超えるまでに回復した。しかしながら、シェール革命やOPEC(石油輸出国機構)が減産しなかったことによる原油の供給過多やドル高などを背景に、再度下落に転じ、40ドル台まで値を下げた。現在は、60ドル台まで戻したものの、これからどのように動くのだろうか。 原油価格が上昇に転じた理由は まず、下げ止まった直近の要因を整理すると、大きく分けて2つある。 ひとつは、シェールオイルの生産減少である。地区によって多少ばらつきはあるものの、シェールオイルの採算ラインは、40ドルから70ドル程度。OPECが減産を見送ったことをきっかけに、原油先物価格が下落。採算割れ水準となり、生産量を減少させたと考えられる。実際、米エネルギー省が4月29日に発表した石油在庫統計によれば、米国の石油発掘装