慢性腎臓病と診断されると、かつては「安静第一」と言われて運動制限が常識だった。しかし、その常識も近年、百八十度転換してきている。「運動療法」が推奨され、その重要性がクローズアップされているのだ。 東北大学病院が開発し、世界各国で導入が進む「腎臓リハビリテーション(以下、腎臓リハビリ)」がある。運動・食事・薬物療法から、水分管理、教育や精神的サポートまで含む包括的プログラムで、その中心となるのは運動療法だ。 実際、きちんと実行することで腎機能の指標「GFR値」が改善する症例が多数報告されている。 では、なぜ運動をすると腎機能にいいのか。東北大学大学院医学系研究科・内部障害学分野の上月正博教授が言う。 「腎臓のろ過機能を担う糸球体という毛細血管の塊には『タコ足細胞』という細胞が張り付くように存在しています。この細胞は足を伸ばしたタコに似た形をしていて、それらの足が互いに絡み合ってフィルターとし
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