各種降圧阻害剤による試験、および一酸化窒素(NO)合成酵素阻害剤による試験から、クロロゲン酸類の血管内皮機能の改善にNOが関与することが示されました。よってクロロゲン酸類摂取による血管機能改善の作用メカニズムは、血管内皮細胞由来の血管弛緩因子であるNOが関与する、血管機能の調節作用と推察されます(図-1 ①)*1,2 。 クロロゲン酸類およびその生体内での代謝産物が血管内皮細胞に与える影響として、以下の3つの知見が確認されております。1つ目は、クロロゲン酸類自体の活性酸素除去による作用(図-1 ②)*3 、2つ目は、eNOS(血管内皮NO合成酵素)の活性化による作用(図-1 ③)*4 、3つ目は、NADPHオキシダーゼ(活性酸素生成酵素)阻害(図-1 ④)による作用*5 です。これらの作用は、いずれも血管内皮細胞でのNOのバイオアベイラビリティ(生物学的利用能)を向上させるように作用してい