ビタミンDが不足していると、運動を行っても動脈硬化の進行リスクがあまり抑制されない可能性を示唆するデータが論文発表された。ふだん習慣的にトレーニングを行っている健康な若年男性を対象に、急性運動前後での脈波伝播速度(PWV)の推移を検討した結果であり、台湾からの報告。 運動による血管機能への影響にビタミンDレベルは関与するか? ビタミン欠乏は近年、さまざまな健康リスクと関連していることが報告されるようになった。ビタミンD欠乏の有病率が高いことも、この問題への関心を高めている。例えば、米国からは人口の約50%、英国からは19~64歳の成人の22~24%がビタミンD欠乏だとする報告がある。 現在、骨代謝との関連からビタミンDが50nmol/L未満をビタミンD欠乏とする定義が一般的に用いられているが、これに該当する場合は骨折リスクのみでなく、動脈硬化性疾患のリスクも上昇することがわかってきた。動脈