言語中枢とは 言語中枢とは、言語に関与する脳の部位である。脳の各領域に機能的な違いを認める脳機能局在論と、それを認めない等能説 (全体論) との間の論争は19世紀から続いている。言語に関与する脳領域の存在については、言語機能の自律性に関する言語学的な問題も含めて激しい議論の的となってきた。しかし、失語症や脳機能イメージング研究の発展により、後述するブローカ野やウェルニッケ野を含むいくつかの領域が特定の言語機能に関与することが示されている。 ブローカ野 図1. 文法処理の障害を引き起こす大脳皮質の領域 呈示された絵とその下の文が同一か否かを脳腫瘍患者に判断させた。(A)能動文条件。(B) Aと同じ絵に対し、文を受動文とした受動文条件。(C) VLSM (voxel-based lesion-symptom mapping) 法により、各部位に腫瘍があるかどうかで患者を2群に分け、受動文条件と