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ブックマーク / movies.lylyco.com (6)

  • 【ネタバレ無頓着】 映画『メッセージ』は観客に解釈を委ねているのか?|ボクノタメニ泣イテクレ > 映画レビュー

    映画『メッセージ』って、色んな見方ができるよね。 そんな感想を耳にして、あれ、と思った。たしかにモヤモヤするところはあった。けれども、それほど解釈の幅がある映画だとも思わなかったからだ。残念ながら、予断がなかったとはいえない。前提として、ぼくはテッド・チャンの原作小説『あなたの人生の物語』をすでに読んでいた。その影響は、たぶん大きい。それは理解を助けもしただろうけれど、邪魔にもなっていたと思う。あの短篇をドゥニ・ヴィルヌーブはどう映像化したんだろう。そんな期待のしかたも、たぶん良くなかった。 そもそも原作小説は、「小説だから表現できること」にかなり自覚的に書かれている。「あなた」に語りかけるという形式だけをとっても、そのまま全篇モノローグの映画にするわけにはいかない。まったく別のやり方で、主人公ルイーズの内面を表現する必要がある。地球外生命体とのファーストコンタクトによって、まったく新しい

    lylyco
    lylyco 2017/05/25
    映画を観てから気になってたことをつらつらと書き出してたらメモにしては長くなったんで、勢いで懐かしい場所にあげておく。というか、他の人の感想をいっぱい読みたい。検索してもイマイチいいのが見つからなくて。
  • ジブリ『風立ちぬ』を観て甘美な罪悪感に身悶える|ボクノタメニ泣イテクレ > 映画レビュー

    『風立ちぬ』を観終えてから、感想がなかなか言葉にならなかった。 感動のあまり、というのではない。いや、感動はした。が、言葉にならないもやもやとした違和感がいつまでも消えなかった。映画館で涙を流しながら、自分はなぜ泣いているのか、と自問してしまう。そんな映画だった。 美しい映画だった、とは思う。美しいものへの欲望が、ただただまっすぐに表現されていた。醜いものへの視点をまったく欠いていたわけではない。その存在は認めながら、意識的に美しさだけを切り離し、それを欲望することを全面的に肯定してみせる。ただ一片の躊躇も衒いもなく、だ。もちろん、当に美しいもののみ追求できるような才能は、誰にでも与えられるものではない。主人公の二郎はもちろん選ばれた人間である。美を求める彼の心に、葛藤や逡巡はほとんどみられない。 それは、宮崎駿の才能やこの作品に対する態度とも重なって見えた。 ゼロの美しさも、菜穂子との

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    lylyco 2013/07/24
    漠然としたもやもやを言葉にしたら、えらく恥ずかしい感じの感想文になってしまった…。
  • 無敵に挑む馬鹿オヤジの無謀な復讐劇『96時間 リベンジ』|ボクノタメニ泣イテクレ > 映画レビュー

    前作『96時間』は一筋が通りすぎていて、もはや単純が極まり切ったアクション映画の傑作だった。攫われた娘を助け出す。リミットは96時間。ただそれだけ。この筋を面白くするためだけに、物語、設定、キャラクターのすべてが動員されるという贅沢な逸品だ。その続篇ということで、当然、ハードルは高い。が、期待は裏切られなかった。さすがに、超えた、とまではいえない。残念ながら。前作の完成度は、ほとんど奇跡的だったといってもいい。それにあの娘狂いの父親の無敵ぶりをぼくたちはすでに知ってしまった。この差は大きい。セガール級の無双キャラにハラハラドキドキはない。が、そこは大暴走への期待で補える。 同タイトルの続篇だ、今度はどんな96時間を用意してくるんだろう…おお、舞台はイスタンブールか、む、リベンジってあれか、前作で無双オヤジが殺した馬鹿の父親が復讐にやってくる話なんだ、へー、我が子を愛するオヤジ同士の対決っ

    lylyco
    lylyco 2013/01/20
    続篇で監督も変わったってきいてちょっと心配したけど杞憂だったな。リュック・ベッソンの影響力がデカイってことなのかな。まあ、なんにしろ面白かった。
  • ジョン・ウー監督版三国志“レッドクリフ Part1”|ボクノタメニ泣イテクレ > 映画レビュー

    有名な「赤壁之戰」を主として描いた大作“レッドクリフ”の前篇を観た。 とにかく、みんなで観ればいいと思う。有名な話なわけだし、ストーリーが凄いとか、意外な人間関係が浮上とか、そんなことは当然ない。が、見どころは満載だ。それが重要だ。要するに、こういう歴史的に有名な原作の映画化はいかに「見どころ」を作るかが肝なのだ。それは豪華なキャスティングであったり、緻密な考証であったり、スペクタクルな映像であったり、迫力のアクションであったり、原作ファンも納得の解釈であったりする。たぶん、全部ある。たぶん、というのは、ぼくは原作ファンじゃないからだ。実際、「赤壁」の話なんて朧げにしか覚えていなかった。 そんな非三国志フリークでも楽しめたポイントをいくつか挙げておく。まず、漢同士の阿吽の呼吸。非凡な者同士が多くを語らず分かり合うというのはベタだけれども恰好いい。漢のロマンである。その意味でこの物語の主役は

  • 宮崎駿監督アニメ“崖の上のポニョ”|ボクノタメニ泣イテクレ > 映画レビュー

    宮崎駿監督のアニメ“崖の上のポニョ”を観た。 別に難しい映画ではない。というか、難しく考える必要はないように思える。何も無理して寓話を読み取らなくていい。宮崎駿という2008年夏現在67歳のおじいちゃんの、いまだ尽きせぬ豊かなイマジネーションの世界に浸り、無意識に「ポ~ニョポ~ニョポニョさかなの子♪」と口ずさんで赤面していればいいのである。これはアニメーションの質が必ずしもディテールの描き込みに依存しないことを実感できる優れて高度な作品だし、奈良美智か水木しげるかというような人面魚や半魚人の描写も画一的な萌えアニメにはない魅力がある。はっきりいってメチャクチャ楽しかった。 過去の宮崎作品にイニシエーションの物語や、現代的ライフスタイルへの警鐘や、人間の傲慢や、人間賛歌や、ビルドゥングスロマンを見てきた「大きなお友だちのみんな」は多かったと思う。今回のポニョにそうしたメッセージを見付けること

  • ジョニー・デップ主演“デッドマン”|ボクノタメニ泣イテクレ > 映画レビュー

    ジョニー・デップ主演の映画“デッドマン”は濃密な死の予感を繊細な詩情と滑稽な挿話で綴ったとてもユニークな映画だ。 ジム・ジャームッシュ監督の作品に過剰なドラマは見られない。ただ淡々とエピソードを積み上げ、キャラクターを浮かび上がらせていく。ジョニー・デップ演じるウイリアム・ブレイクがクリーブランドから会計士の職を求めて西部に向かう冒頭の列車のシーン。最初は紳士然とした乗客に囲まれていたのが、目的地に近付くにつれアカラサマに様子が変わってくる。粗野な態度にライフルを抱えた乗客ばかりになると、都会風の服を着て大きな旅行鞄を抱えたブレイクはただの気弱な道化にしか見えない。ジョニー・デップの小動物じみた演技が可笑しい。 ブレイクはえらく運の悪い男で、職を求めて訪ねた先でけんもほろろに追い出されると、偶然出会った美女と同衾し痴話喧嘩に巻き込まれ、銃撃された挙句に金持ちの息子を殺してしまう。法治国家と

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