兵庫県尼崎市を中心に、香川、岡山など各地で次々と明らかになった 「殺人死体遺棄事件」。 犯罪史上稀にみるこの事件は、首謀者とされる角田美代子元被告によって、 15年という長い年月の間に、複数の家族が バラバラにされた挙げ句、 暴力や虐待が繰り返され、分かっているだけでも8人が死亡、3人が行方不明となっている。 さらに、この11人以外にも関係者の中には不審死や自殺などが相次いでいるが、 時間が経ち過ぎて検証できず、事件化が難しくなっているケースも少なくない。 しかも、「全てを知っていた」はずの角田元被告は逮捕後の昨年12月に自殺。 事件の全容解明に大きな壁が立ちはだかっている…。 これほど多くの家族が巻き込まれながら、 なぜ15年以上もの間、見逃されてきたのか。 取材チームは、事件初期に起きたあるケースを通じて、 角田元被告が、ささいなきっかけを理由に家族を取り込み、社会と断絶させた上で、